限界芸術とは評論家・鶴見俊輔が提唱した概念で、一般的に”素人芸術”のみを指す言葉と捉えられがちですが、その真意は「日常のなかで、ある必然を持って自然に生まれる表現」を定義したものであり、専門的な芸術家のみによって表現されるものではなく、科学と芸術、経済と芸術、哲学と芸術などその境界に存在するあらゆる表現を総合してこのように呼んでいます。学術系大学の学園祭などの展示に触れると、制作者は意識していなくても、芸術に領域に触れている表現がたくさんあります。私たちはここから多くのことを学び取れ、それぞれの”美しさ”に気づき、次の創造に発展させることができるのではないでしょうか。
本展では、学園祭シーズンである秋、架空の「限界藝術大学」の文化祭を想定してフロアをコーディネートし、大学とジャンルの壁を越えた展覧会を一同に展開します。大学間での有意義な交流が生まれ、観覧者にとっても魅力ある展覧会となることでしょう。
TRANS ARTS TOKYO 2013参加企画
http://kanda-tat.com/
日時:2013 年10月19日(土)~ 11月11日(土)12:00-19:00(最終入場18:30)
場所:神田錦町共同ビル3階(東京都千代田区神田錦町2-2)
参加料:無料(TRANS ARTS TOKYO 2013への入場料800円、一部イベント有料)
主催:東京藝術大学美術研究科中村政人研究室
文化祭実行委員会:大絵晃世( 同研究室博士課程1年)、佐々木紘子(同研究室修士課程2年)、岡田寿枝(同研究室修士課程2年)、小林美穂(同研究室修士課程1年)、小林のんき(芸術学科学部2年)
東京大学、東京理科大学、東京外語大学、東京家政大学、日本大学、青山学院大学、立教大学、東京藝術大学(順不同)
【参加型展示】これで誰もが芸術家! ~あなたのこだわりを額装しよう! (参加無料・持物不要)
【常設展示】
東京大学大学院研究科印哲研究室博士課程・近藤隼人「サーンキヤ哲学における認識手段」/ 東京電機大学建築学科資料展示/ 東京理科大学Ⅰ 部数学研究部「世界を4色で塗り分けろ! 」「回せ! カライド・サイクル」/ 東京家政大学写真サークル展示「女子× カメラ」/ 東京理科大学& 東京家政大学演劇サークル「ラムダ&トキ」による「探偵は現場にいる」映像展示/ 日本大学法学部政治経済学科4 年・宮下侑子「北インド ラダック地方から考える持続可能なローカリゼーション」「多国籍企業の向こう側」報告書展示/ 日本大学法学部映画研究「UNTOUCHABLE」「ERROR」最新作「緑です。」映像展示/ 東京外語大学大学院総合国際学研究科言語文化専攻「ベンガルの孛星ージボナンド・ダーシュ」/ 東京外語大学アラビア語科アラビア語劇「アラジン」映像展示/ 東京外語大学アラビア語科3年・立松恵「インドネシアの漁村」映像展示/ 立教大学演劇サークル・劇団テアトルジュンヌ 「fiction」/ 会場BGM:東京理科大学理学部数学科4年・K.Tachibana
【トークイベント】観覧料がすべて無料となりました!!
▼2013年11月1日(金) 19:00~
ゲスト 東京理科大学教授/理数教育研究センター長 秋山仁「美の背後にひそむ数理」
あきやま・じん 1946年東京生まれ。上智大学大学院数学科卒業。アメリカ・ミシガン大学研究員、東京理科大学教授、東海大学教育開発研究 所教授などを経て東京理科大学教授 / 理数教育研究センター長。数学教育に力を注ぎ、テレビやラジオで活躍。「算数がメチャとくいになれる本」「パ ズルで算数アタマをみがく本」「秋山仁の数学渡世」など著書も多数。
▼2013年11月8日(金) 19:00~
ゲスト 東京藝術大学/女子美術大学非常勤講師 福住廉「限界芸術をやっちまえ!」
ふくずみ・れん 1975年東京生まれ。美術評論家。主著に『今日の限界芸術』、共著に『文藝別冊坂口安吾』ほか多数。「artscape」と「共同通 信」で展評を連載しているほか、「美術手帖」や「10+1」、「図書新聞」などに寄稿している。おもな企画展に「里山の限界芸術」(まつだい「農舞台」)。 現在、東京藝術大学および女子美術大学非常勤講師。
▼2013年11月9日(土) 19:00~
ゲスト 東京外語大学非常勤講師 三添篤郎「交感するアメリカ」
みそえ・あつろう 1980年新潟県生まれ。2012 年、筑波大学院博士課程人文社会科学研究科単位取得退学。博士(文学)。専門は 20 世紀アメ リカ文学・文化。日本アメリカ学会、日本アメリカ文学会、日本英文学会等で活動。現在、東京外国語大学などで非常勤講師。
※ご予約される方は、genkai.tat@gmail.com まで、件名に「トーク予約」と書いて、氏名をお送りください。